再エネ賦課金って意外に高い?
お住いの電気代の請求書を確認した際に、「”再エネ賦課金”の項目って何? 意外に高い!」と、思ったことはありませんか?
再エネ賦課金とは?
電気料金を気にされている方なら名前は聞いたことがあるかもしれませんが、「再エネ賦課金」について、詳しくご存知でしょうか。再エネ賦課金は、正式名称を「再生可能エネルギー賦課金(ふかきん)」と言い、毎月の電気代に「再エネ発電賦課金等」といった名前で加算されています。
この賦課金は、太陽光発電・風力発電・バイオマス発電などの再生可能エネルギー(再エネ)の固定買取制度(FIT)と深いかかわりがあります。FITでは、再エネの普及のため、高い売電価格が設定されていますが、その高額な売電価格は、電力会社が負担するわけではなく、国民全体が「再エネ賦課金」という形で負担をしています。
再エネ賦課金は、毎年「電気使用量1kWあたり◯円」という形で料金が決められ、その価格が1年間変わりません。
なお、2022年5月以降の再エネ賦課金の単価は「3.45円/kWh」となっています。
3人家族の標準家庭の電力使用量を370kWhとした場合、2022年5月以降の再エネ賦課金負担は「1,276円」となり、1,000円を超えてしまいます。1人暮らしの場合や、5人家族以上の世帯の場合なども見てみましょう。
2022年5月以降の再エネ賦課金の世帯別負担額 | |
1人暮らし(185kWh) | 638円 |
2人世帯(320kWh) | 1,104円 |
3人世帯(370kWh) | 1,276円 |
4人世帯(400kWh) | 1,380円 |
5人世帯(450kWh) | 1,552円 |
6人世帯(560kWh) | 1,932円 |
二人世帯以上の人数の世帯では、1月当たり1,000円を超え、年間で計算すると、10,000円以上の金額になってしまいますね。
再エネ賦課金の推移
再エネ賦課金の高い水準が2022年以降も続いていくか考えてみましょう?、まず、FITの制度変更に伴い改称された、2012以降の推移をみてみましょう。
2012年 | 2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 |
0.35円/kWh | 0.75円/kWh | 1.58円/kWh | 2.25円/kWh | 2.64円/kWh | 2.90円/kWh | 2.95円/kWh | 2.98円/kWh | 3.36円/kWh | 3.45円/kWh |
単価は全て税込 (参考資料:東京電力ホールディングス「再生可能エネルギー発電促進賦課金単価」引用)
再エネ賦課金がスタートした当初に賦課金額が少なかったのは、まだ太陽光発電などの再生可能エネルギーがあまり普及していなかったためです。
2012年~2015年にかけて、特別優遇期間が設けられた10kW以上の産業用太陽光発電が爆発的に増え、多くの太陽光発電によって創られた電気を各電力会社が買い取ることになり、それにともなって2016年以降の再エネ賦課金も大きく値上がりする結果となりました。
再エネ賦課金はFIT(固定価格買取制度)と密接に関わりのある制度で、少なくともFIT(固定価格買取制度)が終了するまでは継続されると予想できます。
賦課金の高騰の原因である産業用太陽光発電の買取年数が20年であることを考慮すると、優遇期間に設置されたシステムの買取終了間近の2030年前後までは高い水準を維持する事が予想されます。
太陽光発電・エネファームなど自家発電で、電気の自家消費を行い、の使用料を抑えると、従量料金(電力使用量に応じた電気代)部分に加えて、再エネ賦課金部分も電気代を節約する事ができます。